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荻田医師とOK-432治療

 リンパ管腫は、リンパ管の先天的な形成異常とされる難病で、発症は胎児から5才までの幼い子供に多く認められます。好発部位である頸部に発現した場合は、気道・気管を圧迫する等で呼吸困難を起こして死に至ります。組織学的には悪性ではありませんが、悪性腫瘍のように周囲組織に浸潤します。この特徴のため、リンパ管腫周囲の臓器の機能を温存し、美容的にも満足のいくようにリンパ管腫を手術で完全切除することは極めて困難です。

 しかし、合併症と再発を伴う外科手術に取って代わる治療は存在せず、患者への精神的・経済的な負担は計り知れないものでした。 こうした中、1986年京都府立医科大学小児外科医の荻田修平先生は、リンパ管腫の管腔内に当時抗がん剤として使用されていたOK-432(商品名:ピシバニール)を局所注入してリンパ管腫の縮小・消退を得る治療法「OK-432局注療法」を開始しました。

 その後、この治療法による成功例が増加すると共に共同研究も行われ、その高い有用性が確認されていき、日本ではリンパ管腫の標準治療として確立されました。